小林保一『わたしの東濃戦国史』新人物往来社
です。
美濃国の東端は飛騨国や信州木曽地域とつながり、その関係が無視できない地域であることから、本書によって新知見が得られるのではないかと思って期待して読んで見ました。
ところが、ネットで購入し中身を確認しなかったため、残念ながら私の想像とは異なる内容でした。
著者自身が前置きしているので、細かな事実の誤りはともかく、東濃の戦国時代を元亀三年(1572)の武田信玄の西上からと規定しているので、それ以前の叙述がほとんどありません。私としては、よく知られたこの時期よりもそれ以前の歴史に興味があったので、非常に残念です。
とはいえ、著者は本書の執筆目的を「歴史の本には、むずかしい語や言葉が出てくるが、わたしは一般大衆や子供でも読めるように、むずかしい表現はなるべくしないで易しい言葉を用いるように心掛ける」と述べているように、歴史を平易に語るという趣旨は達成されていると思いますので、この地域を地縁などがある人の歴史入門書としては最適なのではないでしょうか。
余談になりますが、岩村城の女城主・修理夫人(遠山景任室)は織田信長の叔母ではなく、濃姫であるとする説があるようで(小野稔著『新女城主』)、これは初耳でした。

