前回、山本勘助について予告をしていながらいきなり肩透かしを食らわす形になってしまうかもしれませんが、今回は
平山 優著『戦史
ドキュメント 川中島の戦い 上』学研M文庫
平山 優著『戦史ドキュメント 川中島の戦い 下』学研M文庫
を紹介したいと思います。
なぜ、この本から紹介するかというと、山本勘助の生きた時代、状況を概観するのに便利だからです。
みなさんよくご存知の戦国時代、しかも人気の武田氏のことですから、いまさら概説なんてと思うかもしれません。しかし、私達の戦国時代の
イメージの多くは
小説や
ドラマなどから作られたイメージであり、実際の史実とはかけ離れていることが間々あります。
ところが、本書は一次史料(その当時発給された書状や日記など)を中心に叙述されており、学問的なレベルで武田氏研究の
スタンダードともいえる内容となっております。
特に、「武田家がなぜ連年にわたって他国へ戦争をしかけたのか?」という問いに対して、その当時の甲斐国の生産高や飢饉などの状況を説明し、武田政権の政策とその置かれた状況が密接に関係している点を指摘しており、非常に興味深い内容となっております。
また、私としては諏訪氏を初めとして敵対、従属した諸豪族についても詳細に述べられているのは大いに参考になりました。他の
武田信玄の伝記などではあまり触れられない内容であるので、私以外でも新鮮に感じる方は多いのではないかと思います。
ところで、この本は前述のように、学術書レベルの内容を持っていると思いますが、平易な叙述(読みづらい原文には書下し文をルビでいれてあったりもします)であるので、予備知識のないかたでも、簡単に読めると思います。
また、文庫!であることから安価(上巻651円 (税込)、下巻683円(税込) )であるというのも嬉しい限りです。
さて、ここまで書いてきて、記述があまりに冗長になってきたので続きは次回にしたいと思います。